| 麗奈をUSJに連れてっての巻
 4月◯日恭ちゃんはプラモの部屋で一人シコシコとプラモ作りに熱中していた。もうすぐ静岡HSだ・・・。と、その時一本の電話が・・・・・・。「恭ちゃん◯彦やけど何しょん?」◯彦君は恭ちゃんの悪友で◯◯◯が命の人です。
 「何って今プラモ作っとんやけど」と恭ちゃん。
 「今、秋田町(四国一の歓楽街。300軒のバー。スナックが軒を並べる)におるんやけど女の娘が二人いるから紹介するけん出てけえへんか?」と◯彦君が言いました。
 恭ちゃんは迷いました。来月には静岡ホビーショーもあるからそれまでに完成しなければいけないプラモもあるし・・・・・う〜ん、どうしよう?
 「とにかくすぐ出て来いよ〜」と◯彦君。
 
 迷いに迷ったあげく恭ちゃんは待ち合わせ場所に出かけていきました。そこでキョロキョロしながら待っていると◯彦君が二人の女に娘を連れて来ました。「お〜急に呼び出してごめんな!一緒にご飯食べよったんやけど男一人に女二人だろ、ほんで呼びだしたんよ。この娘が余っている娘」と◯彦君の視線の先を見ると黄色のミニのスーツを着た可愛い女に娘がペコリと頭を下げました。これは可愛い〜。
 まるで雑誌のグラビアから出てきたかのような可愛い女の娘でありました。こんな女の娘徳島にいたのであろうか?
 「ほな人数もそろうたし、行こうか?」◯彦君はペアで歩き始めました。恭ちゃんも連られて黄色のスーツの女の娘と並んで歩き出した。週末の歓楽街はネオンも眩しく大変なにぎわいでありました。
 ◯彦のペアに遅れないようにと恭ちゃんと彼女は並んで付いていった。流行の茶色の長い髪、夜目にも鮮やかなレモンイエローのミニのスーツ。彼女の歩く姿は街行く男の視線を集めずにはいられなかった。週末の歓楽街は人通りが多く歩きづらく、時々。彼女の肩がふれる度にいい香がした。夜のネオンと人込み。そしてきれいな彼女。恭ちゃんはドキドキしていた。こんなにドキドキしたのは何年ぶり、いや何十年ぶりだろうか・・・。
 
 しばらく歩くと大きなビルの前に立っていた。「この上やけん」◯彦君に続いてエレベーターに乗るといい匂いがエレベーター中に漂いました。恭ちゃんは無言でありましたが目はチラチラと黄色のスーツの彼女を見ていた。可愛い〜と。
 エレベーターを降りると前にドアがありました「ここよ!さあ入って・・・・・・」◯彦君の相手の女の娘がドアを開けました。中に入ると蝶ネクタイをしめた男がていねいに迎えてくれ、席に案内されました。席につきゆっくり見渡すと、床はふかふかの絨毯、大きなソファー。少し暗い照明の店内には静かな音楽が流れている。◯彦君は何度か来たことがあるらしく相手の女性と親しそうに話していた。
 恭ちゃんの横には黄色ミニスーツ(原文での表現が長いので以下こう略す=管理人)がぴたりと座っている(聞くところによるとお客さんと店に入ると給料が上がるそうです)。
 しばらくすると蝶ネクタイの男がお酒を持ってきてくれました。そして床に跪いてお酒をテーブルに出してくれました。そのお酒は恭ちゃんが見たことの無い形の瓶に入っていました(まるで土偶のようだった)。
 「それじゃ、乾杯しましょう」◯彦君の相手の女性が言いました「何に」と恭ちゃん。
 「やっぱ四人の出会いやな〜」と◯彦君。「特に恭ちゃんと彼女は初めてやもんな」
 恭ちゃんは黙って彼女の顔を見た。目と目があった。恭ちゃんは思わず下を向いてしまった。彼女の愛くるしい笑顔が眩しかったのだ・・・・・・・。
 「とにかく乾杯〜」と◯彦君。「さあぐ〜っと飲んで・・・・・」と言われるままに一気に飲み干した。
 
 「わあ〜恭ちゃん強い〜」と見守る三人。
 恭ちゃんは一杯飲むことで心が落ち着いた気がした。
 「わたし麗奈っていうの。よろしくね」黄色ミニスーツは笑顔とともにピンクの名刺を渡してくれた。恭ちゃんがいつも仕事でもらう名刺と違って四隅が丸くなっていていい感じがした。彼女はぴったりと横に座ってくる。体温が感じられ、ミニから覗く太ももが眩しくて思わず◯ん◯が立ちそうになってしまった・・・・。
 「ぼ、ぼく恭ちゃんです」もらった名刺を胸のポケットに大事にしまった。
 「恭ちゃんていうの。いいお名前ね。お酒飲めるんでしょう?遠慮しないで飲んで下さいね」
 彼女の言われるままに恭ちゃんはグラスを飲み干したが、何を話していいか分らず、下を向いていた。
 「恭ちゃん何かいえよ〜。黙っていたら麗奈がこまるだろ〜」と◯彦君。
 う〜ん何か話さねばと焦る恭ちゃん。苦しまぎれに「あ〜麗奈ってあの湾岸ミッドナイトの麗奈みたいだね!」と言ってみた。「え〜恭ちゃん湾岸ミッドナイト知ってるの?」と麗奈。「ぼ、ぼく知ってるよ湾岸ミッドナイトもイニシャルDも・・・・・」
 「え〜意外〜!」麗奈の顔が輝く「じゃあ恭ちゃんの趣味はなに〜」
 趣味はプラモ・・・・・・と言いかけたが「車が好きなんだ」と答えてしまった。
 「え〜恭ちゃん車好きなの?麗奈も車大好き〜!カッコイイスポーツカーなんか大好き〜!」と麗奈。
 ◯彦君が「恭ちゃんはRX7持っとんやで〜」
 「え〜恭ちゃんスポーツカー持ってるの?すご〜い。今度、麗奈乗っけてえ〜」
 「げぇ〜(恭ちゃんのRX7は20年前に買ったクーラーの効かないRX7)ちなみに麗奈ちゃんは何が好きなの?」
 「え〜と麗奈が好きなのはスポーツカーでしょう、それからお洋服でしょう、バッグに美味しいものだ〜い好きぃ〜。どっか連れてって恭ちゃん〜」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 いつしか話題はこの春大阪に出来たUSJに・・・・・。
 「恭ちゃんUSJ行った事あるの〜」
 「まだないよ」
 「恭ちゃん5月に麗奈と一緒にUSJ行こうか?」
 「ゲ」
 「恭ちゃん二人でUSJ行こうね〜」
 「ゲ」
 「ねぇ〜ん、ね〜恭ちゃん今度USJ連れてってぇ〜ん」
 「ゲ」
 「あ〜なんか恭ちゃん返事重いな〜(怒)」
 「だって麗奈ちゃんはぼ、ぼくなんかと行くよりBFとか、お店のお客さんとかいっぱいいるし、その人と行ったらいいのに・・・・・」
 「あ〜恭ちゃんはそんなこと心配してるんだ〜。麗奈はねBFもいっぱいいるし、お店のお客さんもいっぱいいるの。でもね!二人だけで行くっていうのは誰でもいいって訳じゃ無いのよ!ね!わかるでしょ!。誰でもいいって訳じゃないの。ね。麗奈は恭ちゃんといきたいの!恭ちゃんと二人で行きたいの?」
 じっと恭ちゃんの目を見る麗奈。恭ちゃんは思わず恥ずかしくて下を向いてしまった。
 「恭ちゃん!麗奈がこんなに言ってるのに連れてってやれよ〜」と◯彦君。
 「5月に行こう〜!20日〜21日あたりがいいな!お店も休みだしぃ〜」と麗奈。
 わっ、5月は静岡HSもあるし、プラモもまだ完成していないし、こまったな〜と恭ちゃんは思った。「行くったって・・・・・・。水中翼船で行くの?」つい小声になる。
 「水中翼船より二人きりのほうがいいな。恭ちゃんのRX7で行こう!麗奈と二人きりで・・・・」
 「え〜」
 ◯彦君が笑いながら言った「おまえ、これだけ麗奈が言ってるんだから連れてってやれよ〜RX7で」
 「え〜」
 「恭ちゃんなんか返事重いな〜!ほんとは麗奈と行きたくないんでしょ」
 「いや!行きたくないわけじゃないけど・・・・・・」
 「じゃ、なんでそんなに返事が重いの?」麗奈はミニから覗く太ももを密着させ、体を押し付けてきた。ぷ〜んといい匂い。じっと見つめる黒い瞳に赤い唇。
 「あ〜う〜ん」
 「分かった、恭ちゃん!麗奈が嫌いなんでしょ(怒)」
 「え〜そんなことないよ」
 「じゃ、好きなの?」
 「え〜」
 「え〜じゃ分らないでしょ!好きなの?嫌いなの?」
 と言いながら麗奈は膝の上に乗り、抱きついてきた。太ももが淫らに開いて、ミニスカートが持ち上がり、その奥(ああ香しき秘密の花園、うっすらと黒い陰りが・・・)が見えた。
 若い女の匂い・・・・・・・。
 「え〜」
 「おまえはっきりせ〜よ!麗奈が困るだろうが?好きなんか、嫌いなんか?」と◯彦君。
 「う〜ん、恭ちゃん困ってしまう〜」といいながら得意のギャグ、この前、子供の前で見せた「恭ちゃん困ってしまう〜」と言いながら両手を頭の上でグルグルまわす寒いギャグをやってしまった。
 「わ〜恭ちゃん面白い〜」と何故かこのギャグが大受け!ネオンとお酒と歓声の中で恭ちゃんの夜はふけて行きました。その後、静岡ホビーショー前日まで恭ちゃんのプラモ部屋に灯がともることはなかったのです。
 
 PS恭ちゃんがUSJに一緒に行きたかったのは同じスナックに勤めるジュンちゃんです。彼女は普通の人です。しかし◯E◯の時には獣になるそうです・・・・・・・。
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