絶版ビデオマガジン

オークションサイトを覗いていて、発作的に「VIDEO MGAZINE Beppin」を13本まとめて買った。落札価格は古書店などで求めるよりはるかに安価だったし、売り主の保存状態も良くてお買得であった。これによって「VIDEO MGAZINE Beppin」は20数本を保有する事になったと思うが、実際の所、昔、買ったものが我が家のあちこちに埋もれているはずであり、重複買いしたのではないかと一抹の不安も感じている。当方の青春時代である1970年代末から80年代中期にかけていわゆるグラビアアイドルを紹介するメディアが、雑誌、写真集からビデオへと媒体の選択肢を広げていった時代であった。
静止画のグラビアがビデオ化されて動きと音声を得たのは画期的だったように記憶している。
まあ、そんな懐かしさもあって購入したわけだが、再生してみるとなつかしい顔ぶれが当時のまま(あたりまえだが)よみがえった。何巻出ていたのか良く分らないが全巻そろえるのも面白いかもと悪い虫が騒ぎ始めている。



アイドル写真集値崩れか?

一時ほどのプレミア価格が消え(一部にはまだとんでもない値段のものがあるものの)アイドル写真集の古書価格がこなれてきた。特にリサイクル書店ではだぶつき気味のアイドル写真集を処分するためか200円台で並んでいるのも目にする。当方にとっては持っていなかった写真集を入手するための出費が押さえられてありがたい限りであるが、まあいいかとこれまで思っていた写真集まで買ってしまい、我が家の書架に廉価で入手した写真集であふれる結果となっている。
ただ値崩れをしても当方が探している1980年代から90年代初頭のB級アイドル写真集はなかなか店に出てこない。たまに出ていても、当方すでに入手済みの物ばかりでレアなものは皆無である。
先日、葉山レイコのリバイバル写真集&DVD
「よみがえる葉山レイコ」を入手した。一世を風靡した非常に美しい肢体のモデルさんであるが、久しぶりにお目にして懐かしかった。このリバイバル写真集、当方の年代層をターゲットにしたものであることは間違いない。



百均文庫

ここ3日ほどで文庫本を20册買ってしまった。といっても出費は2000円弱だから夕食代程度のものだ(最近、心踊るディナーがないな。嫁と行ってもつまらんし・・・)。
あいもかわらず、百円均一コーナーから「これは」と思うものを手にしているのだが、ここのところは探索していたタイトルを見つけ出せているし、また、古い時代の文庫なんかが目に付いたりして結構、楽しい時間になっている。
そんな、今回入手した中で、
川端康成の「雪國」(新潮文庫・昭和37年3月15日発行第42版)は当方の生まれた年に発行されたもの。表紙の古臭い活字が気に入って、ただそれだけで買ってしまったのだが、この作品、書き出しを誰もが知る超有名作品なのにこれまで読んだ事がなかった。せっかく買ったのだからと取りあえず読んでみるとストーリーはいかにも古臭いが旧漢字がちりばめられた文章に感激した。やはり、文章はこうでなくてはいけない。漢字の持つ意味が生きているそんな感じがする。本業で使ってはいけない漢字、言葉に振り回されている事もあって、特にそう思うのかもしれないが・・・・。
ついでに
「伊豆の踊り子」も読んでみたが、この作品、短編だったのだと初めて知った。これまで純文学とよばれるジャンルの作品(特に日本の)をほとんど読んでいない事もあって、名のある作品は一度は読んでおいた方がいいかなと反省。
真っ赤な背表紙にひかれて買ったのが篠山紀信
「10人の10代物語」(激写文庫3・昭和61年3月発行)である。この本は我が家の書架にシリーズ全部がそろっているのだが、最近見かけなくなって久しく、百円という気安さから買ってしまった。月刊GORO(現在廃刊)で連載されていた篠山紀信撮影のグラビア、激写シリーズの中から編集されたもの。今回買った激写文庫は第2弾のもので最初出たものは版形が大きく正方形だった。内容は悪く言えば篠山紀信大先生のワンパターン写真のオンパレード。若いお姉ちゃんの裸がぎっしりつまっている。(最新のデジ紀信でも当時のノリのままだね)。GORO全盛時代の若いお姉ちゃんの裸のドキュメントとしてみればそれなりの価値はある。また巻末の資料、カバーガールによる年譜は懐かしい。特に1976年11月号は「手塚さとみ」が表紙を飾っていて、これって買ったよなと思い出してしまった。



角松かのりコレクションは古書店での発見がほとんど無くなってしまって、ほぼコンプリートを寸前に足踏み状態。新たに掲載誌や出演ビデオなどが判明して探すのに難儀している。
そういう状況だがネットオークションには随分助けられている。ビデオなんかはほとんどオークションでそろえた。集中的に落札価格青天井で挑んだため、出費はそれなりのものになってしまったが、それでも専門店で買うよりかははるかに安く買う事が出来ている。


欲求不満

出張などで他の土地へ出かけると空いた時間を利用して古書店を巡るのを楽しみにしている。初めて訪ねる古書店には意外な掘り出しものがあったりして楽しいものなのだ。先月末、静岡へ出向く機会があって何軒か行こうと思っていた古書店を訪ねようとしたのだが、仕事が忙しくて結局、行く暇なく終わってしまった。
掘り出し物をと意気込んでいただけにがっかりした。その反動もあってか、この休日は近場の古書店巡りに費やした。ところが戦果はさんざん。探している本は一冊も見つからず、まあ持っていても良いか程度のものを数冊購入したに終わった。
これではイカンと思うが、出物がなければしかたがない。思いきり古書探索をしたいと欲求不満がつのるばかりである。



文庫探索に出かける

買ってきた古い文庫の巻末の刊行案内目録を見ていて気になった文庫を探しに出かけた。もちろん百円均一コーナーで掘り出すことを目標としている。
数軒のリサイクル書店を中心に文庫探し三昧したが、戦果は中公文庫の絶版ものがよく見つかり5册発見!、旺文社文庫1册にその他文庫の絶版を中心に13册を購入した。
中公文庫は大手新聞社の傘下になってから文庫の内容ががらりと変わり、相当数が絶版となっている。ノンフィクションものに良い本がたくさんあったのだが、新刊書店ではほとんど在庫がなく、古書店がたよりになりつつある文庫だ。旺文社文庫は文庫自体が今はなく、他の文庫に引き継がれたものもあるがマイナー系のものは完全絶版であり、これもまた古書店だよりの文庫である。
ただ、どうにか全冊そろえようと意気込んでいたハヤカワ文庫のバローズの地底シリーズは全く見つからなかった。気がついてみると1年ほど前まではターザンシリーズ、金星シリーズと良く見かけたものがほとんど無くなっている。バローズの作品は設定がかなり強引なところが?な面もあり、いまさらバローズ?なんて思われがちだが、読むとこれが結構面白く、最近はまっているのだが、シリーズがなかなか全冊そろわない。
文庫だけのつもりが百円均一の安さもあって、気がつくと新書、単行本含めて20册以上を手にしていた。それでもトータル金額は百均一外の本も含めて5000円程度だから、古書店巡りは1日を安く過ごすにはもってこいのお遊びだ。帰宅後、ソファで買ってきた文庫を片っ端から読んでいく楽しみもできる。



たまには新刊本を

古書店ばかり巡っていてはいけないと思い、普通の書店に出向いた。徳島の書店は雑誌、マンガが主体でまともな書店というのはない。まあマシかといえるのは紀◯国屋と◯◯屋くらい。雑誌は必要なものは会社近所の小さな書店から定期講読でまとめて買っているので、大きな書店に行っても雑誌コーナーはさっと眺めるだけで単行本、文庫本コーナーを探索するのが常である。
新刊は新刊案内をこまめにチェックしているのでほぼ分かっているつもりだが、マイナーな出版社が出している本や専門書の類いになると書店で初めてお目にかかることが多い。
危険なのはこういうマイナー系の本ほど役に立ち、面白い本が多いということだ。見つけて片っ端から買い込むと、果たして小遣いが欠乏し、嫁に小言をくらう結果になりかねないので、最近は必ず必要で最後まで読む本のみを買う事にしている。それでも相当量になってしまって、しかも今回はいずれ役に立つだろうと判断した図鑑類(アジアのバザールで売っている食材を網羅した図鑑など)まで買ってしまったから始末が悪い。おまけに何を思ったか(可愛かったのでつい・・・)
安達裕実写真集まで買ってしまい、軽い財布がますます軽くなる結果となった。



注目の文庫本

文庫本は風呂やトイレ、あるいは寝る前に読むにちょうど良いので常時10册は新刊を備蓄する事にしている。その中で中公文庫ビブリオとちくま文庫は今、注目している文庫だ。前者は今や絶版となって久しい山岳、探険書の多くを復刻している。ちくま文庫はちょっと値段が高いが、これもまた名著を次々文庫化しており、面白い存在である。
文庫で恐いのは新刊ではないが古書店で古い文庫を買うと、最終ページにある目録に目がいってしまい、読みたい書名をみつけてしまうことだ。それが絶版になっていると見つかるまで捜しまわってしまう。それが今や無くなってしまった出版社のものとなると、古書店を漁り回る事になる。一時はリサイクル書店で驚くほどその筋の専門店では高くなっている絶版文庫を数多く見つけたが、今は出尽くしたのか、ほとんど目にしない。たまに「おおっ」と思う事もあるが、少なくなってしまった。


戦果良好の1日

山行きが悪天候のため中止となったので時間潰しに高松市内のリサイクル書店数店を訪ねた。最近のリサイクル書店は店によって商品の回転が良いところと悪いところが出てきているみたいで、徳島県内のお店は特にそんな感じがする。暇を見て回ってもつまらない事が多く、山を越えてお隣の香川県の方へ足を運ぶ方がまだマシみたいだ。
2軒目で久しぶりに両手がふさがる量の本を買った。しかも百円均一コーナーで良書(当方の好みにあった本です)ざくざくだったから笑いが止まらない。マスコミ関連本から旅行記、交通書籍までこれまで持っていなかった本や見た事がない本を見つける事が出来、その勢いで
「16歳・三田寛子」まで買ってしまった。コミックでも望月三起也の文庫コミック「二世部隊物語」の欠巻を埋める事が出来た。並んだ本の背表紙を見るとどうも本の入れ換えが最近あったみたいで、そこにうまく行き会わせたわけだ。少なくとも当方が見た限りではその道のプロが見てもこれはというのがあったから、数日遅ければ確実に良い本は姿を消しているところだった。
さらにうれしいことにこの書店ではブームが沈静化したことや、あまりにも市場に出過ぎているためだぶつき気味のアイドル写真集の値下げも行っていた。ひら積み状態でいちいち見るのも面倒臭く、手が本でふさがってこともあってちらりと見ただけだが、このまま行けばさらに値下がりするのは確実である。今は取り立てて買う必要もなく、もう少し様子を見ようと思う。



この書店には雑誌も結構あるのだが、そこで
グランドパワーの山積みを見た。当方。定期講読をしているので必要無い本だが、この雑誌の本の持ち主がなんとなく想像出来て面白かった。ドイツものがほとんどを占め、おそらくドイツ物ばかりを作っているモデラ−からの放出品、あるいは出戻モデラーが飽きて売ったものに違いない。価格は1册、本誌、別冊とも同一料金で700円。グランドパワーは定価が高いからこんなものだが、持っていない人にとってはお買得だろう。

いい本がでない

最近、リサイクル書店巡りにいっても、これはお買得だという本に出会えなくなった。
以前は百円均一コーナーで相当の掘り出し物を見つけたりしていたのだが、このごろはほとんどそんなことがない。ハードカバー、文庫本ともピークを過ぎたかな?という感じである。
ポツポツとは買ってはいるものの、まあ持っていてもいいか程度の本で「入手出来てラッキー」という感動は薄くなっている。
そんな中、久しぶりに良い本を見つけた。
「記憶する民俗社会」である。かなり専門的な書籍なので一般書店でもあまり見かけない。この本には吉野川流域の首切れ馬伝説に関する考察があり、他の同類の書籍の内容と読み比べる事が出来て良い買い物になった。



ハードカバー、文庫本とも出物がないのでもっぱらコミックを漁っている。100円均一コーナーで絶版コミックをそろえているのだが、数軒のリサイクル書店を回るとけっこう全巻をそろえる事ができる。中にはどうしても見つからない巻もあるけれども、大体見つかる。
現在、全く見つからないのは「北の土竜」。最初の10巻までは見つけたが、後がない。
ある古書店で全巻そろいを見つけてはいるものの、その価格に引けてしまって、どうにかリサイクル書店で全巻をそろえようともくろんでいるのだが・・・・・・。


労多く戦果少なし・・・・

松山方面へ出向く機会を得たのでついでに松山周辺の古書店巡りを企てた。リサイクル店を中心に一度は行ってみてかった雑誌専門の古書店を訪ねた。その数10件ほど。しかし戦果はほとんどなく、当方の欲しかった雑誌のバックナンバーは皆無状態。1990年代初頭の雑誌はいよいよ枯渇した模様である。めぼしい書籍もほとんど見当たらず、結局買ったのは大陸書房(かの村西とおるが設立した写真集ならびにイメージビデオ専門のブランド)版の「かとうれいこ写真集」(600円なり)のみであった。(乙葉のDVDが安かったので衝動買いしたがこれはペケだった)。時間がかかった割には戦果がなく、大量に見つけるつもりが、なんにもならなくてちょっとがっくりきた。



角松かのりコレクションは今月に入ってほんの少し充実した。オークションでイメージビデオ「はじめまして」を競り落とし、まったく見かけなかったPHOTOMAXも入手に成功した。また立ち寄った徳島市内の古書店の未整理Beppinの束の中から探していたNO.114を発見。これは格安で購入した。これで角松かのりが扱われているBeppinはほぼ制覇となった。
このほかにも、オークションで「本当かね?」ってぐらい高価な価格で出ていた英知出版の
「Newガールフレンド92」を見つけ、安かったので購入した。この本には細川ふみえが登場しており、彼女って角松かのりより古かったんだねぇ〜と思った次第。

古い図解本は面白い

高松市内で立ち寄った古書店で「図解 望遠鏡と写真機の作り方(理学士 本田理一郎著 東京育成書院刊)」を入手した。奥付を見ると昭和7年初版とあり、当方が入手したのは昭和13年発行の第6版。当時の価格は定価60銭であるが、古書店でのの売価は300円だった。体裁は文庫本サイズで紙質が悪く、かなりくたびれている。
こういった本は文芸書や資料とは違って大体の古書店では雑本扱いである。実用書として利用するには情報が古すぎて役に立たないからだと思うが、その古い部分が面白いところである。
見かけるとつい昭和初期の動物図鑑や図解本を買ってしまうが、暇な時にパラパラめくって楽しめる。例えば戦前の日本産動物図鑑などには虎や象が掲載されている。周知の通り現在の朝鮮半島や中国、南方の島々が日本の占領地だったためだ。今見ると時代背景とともに、ものすごい量の動物が日本産として認知されていたことがわかる。
さて今回入手した
「図解 望遠鏡と写真機の作り方」だ。
手作りの望遠鏡とカメラの製作方法が製作手順ごとに項目を分けて述べられているが、読者対象は前文からみて子供である。そこにいきなり反射式望遠鏡の作り方から始まり、市販の板ガラスを切った円形ガラスを磨き、凹面レンズを製作し、銀蒸着する作業工程が図とともに示されている。材料の値段も記載されており、ガラス一枚10円程度で出来れば舶来のガラスを入手するのが良いとある。物価対照表がちょっと手元にないのではっきり言えないが、当時の10円というのは子供の小遣いにしては大金であろうし、舶来ガラスなんざそうそう手に入らないものではないのか?。
反射望遠鏡は色収差がなく・・・・・とあるのだが、確かにそれはそうだが、果たして子供の手磨きで精度が出せるのか大いに疑問だ。屈折望遠鏡の製作の部ではレンズを買えとなっていて、鏡胴のみを厚紙で自作するとなっている。三脚は竹で作りと、懇切丁寧な内容ではあるものの、子供の手には負えず、この本を参考に作ってはみたもののどうにもならなかったというのが実情ではなかったかと思う。文中に「別荘に持っていく際には」などの記述があり、この本はかなりハイソサエティな子息を対象にしたものだったのだろうか・・・・。



オマケ付きアイドル本

またしてもアイドル本の話題。100円均一コーナーで「南野陽子・月夜のくしゃみ」を発見。べつにこの本が珍しい訳ではないが、オマケのポストカードが挟み込まれていたため購入した。こういったアイドル本のおまけは大概、無くなっている事が多いのである。今回入手したものは綺麗な状態であり、100円という価格からみればお買得であった。
雑誌のピンナップや付録ポスターは気を付けなければならない。特に70年代から80年代の雑誌では無くなっている事が多く、プレミア付きの雑誌では買ってがっくりということがよくある。



たまにびっくりする事もある!

角松かのりコレクションを充実させるために古書店の雑誌コーナーを漁っているが、一般雑誌はともかく、グラビアアイドル系雑誌をタイトル毎にきちんと分けてくれている店は専門店はともかく、一般の古書店では少ない。雑多にコンテナに差し込まれているのが普通で、掘り出すには時間と労力が必要となる。
それなりの苦労が伴うが、たまに目的外の「え〜っ」というような雑誌が見つかり、びっくりする事がある。今回、見つけたのが今では超メジャーになっている
藤原紀香のデビュー間もない頃のグラビア掲載誌であった。彼女のデビュー間もない頃の雑誌はマニアが買い漁った事もあり入手困難な雑誌の代表である。特に2回登場している週間プレイボーイなんざはセミヌードっぽいグラビアということで、その筋の店ではプレミア付きになっており、入手するにはそれなりの覚悟(支払う金額に納得できるかどうか)が必要だ。当方が掘り出したのは週間プレイボーイではなく、もっとマイナー系のマガジン・ウォーであるが初々しい頃の藤原紀香を見る事ができたうえに、なんと200円という低価格であった。たまにはこういうこともあるから雑誌コーナーは面白いのだが、そんな時に限って目的の雑誌が見つからない・・・・・・。



掘り出し物発見&角松かのりコレクションその後

当方の古書巡回コースになっている徳島市内の古書店に立ち寄った。いつもは高価な文芸初版本や資料集などが並ぶことから、当方には縁遠いものと素通りするショーケースを何気なく覗いてドキッとした。
そこには徳島県で初めて敷設された
徳島鐵道の明治四十二年度清算報告書が並んでいたのである。徳島鐵道株式會社関係の資料は同鉄道本社が火災で消失したこと、当時の経営者のほとんどが没落し今や子孫も残っていないこと、さらに太平洋戦争の空襲で徳島市内のほとんどが灰燼と化したため残存資料がほとんどない。そういうことから今回の出物は数少ない貴重な資料である。それが目の前にある。これはどうにかして入手しなければならないと思った。
値段は相応の値段が付いていたが、チラシや他の本と一括購入ということで交渉、それなりの価格で購入した。20ページそこそこのパンフレットみたいなものだが、その内容はこれまで不明であった会社解散清算時に発生した裁判の詳細が記載され、裁判費用の明細などもあり、これは一級の資料である。探してそう簡単に見つかるものではなく、久々の掘り出し物であった。
また、そこには阿波電気軌道の乗車券もあったらしいが、これは先に買われてしまっていた。残念ではあるが、いずれ出てくることもあるだろうと切歯扼腕するもののあきらめるしかない。



角松かのりコレクションはインターネットでデータを収集、ほぼ掲載誌の全容が見えてきた。ところが全盛時代からすでに10年ちかい年月がたっていることや最近、お宝として見直されたこともあって、業者やマニアが買い漁ったこともあり、残存する雑誌の現物入手が困難になってきている。雑誌の在庫が豊富な古書店で掘り出し作業を行ったが、全部を発見するには至らなかった。それでもグラビアデビューした
Beppin(103 1993.2.1発行)を購入。また、その前に予告グラビアが掲載されているBeppin(102 1993.1.1発行)を発見した。この102についてはネット内でもあまり言及されておらず、実質デビューグラビアになる貴重な1册である。ビデオ、CDについては全く進展を見ず、ネット販売で見かけるものの、価格的に手が出せない状態。明らかなコピー商品も出回っており、オリジナル入手、完全制覇まではまだまだ時間がかかりそうである。


全集の欠を埋める

全集ものは揃いでないと買えないもの以外は必要な巻だけ買うことにしている。
本当は全部揃えたいのだが、置く場所もなく、さらに読む時間もないとなれば、読みたいものをまず優先しなければならない。そんなこともあって我が家にある全集ものは、そのほとんどが揃いでなく、中途半端なものとなっている。
最近古書店で見つけた
「日本の民話」は26巻そろいで12000円という値がついていた。当方17巻(阿波編)があれば良かったのだが、バラ売りは出来ないとの事で、そろいで買うことにした。ところが棚から降ろすと18巻が欠けている。1册欠本になっていることを指摘すると店主が8000円にあっさり値引きしたので入手した。ところが持ち帰って書架に並べるとどうも抜け巻が気になる。まあいいかとは思うものの、すっきりしない・・・・・。
今日、数軒の古書店を梯子した。探索中の書籍は見つからず、何も買わないまま日が暮れ、今日は徒労に終わったかと思いつつ、最後の冷やかしにリサイクル書店に入った。
文庫本コーナーを一通り回って、豪華本コーナーへ行くとそこに
「日本児童文学体系」が並んでいた。この本は新本ではセット販売しかしていなかったはずで、全部で30巻、定価10万円を超える全集である。日本の児童向け小説などをほぼ網羅し、しかも解説、年表が充実している。とりあえず明治以降の児童文学を手っ取り早く読んだり調べたりするには最適のものだ。
第2巻に当方の大好きな森田思軒の十五少年、第3巻に押川春浪の海底軍艦が所収されており、他にも今では単行本では読むことのできない作品が多く収められている。
この全集がバラ売りで1册500円。全巻欲しいと思ったが手持ちがなく、取りあえず1〜6巻を押さえた。残り24册はよほどの事がないかぎり1〜6が欠ということで買う人もいないだろうから、資金調達の上、早めに買いに行こうと思う。
「日本児童文学体系」の並ぶ棚を見ていると「日本の民話、全巻在庫あります。1册300円。係員まで」とはり紙がしてあった。これはと思いさっそく聞いてみると、18巻があり、バラ売りも可とのこと。この前、購入したものの1巻欠となっていた「日本の民話」がこれで全巻そろった。しかも300円と安く入手でき、最後の店で十分満足することになった。



久々の散財

久しぶりに懇意にしている徳島市内の古書店を訪ねて散財してしまった。
こういうところは滅多に品が動かないが、ときおり新たな品が入ることもあって、日を空けず訪ねるのが掘り出し物などを入手するためには必要である。ところが多忙なことと資金が潤沢でないこともあって2ヶ月ほど足を運んでいなかったのである。
店に入ってすぐ昭和30年代の
徳島県地図徳島市街図数種をまず手にした。当時と今では相当、道路なども変わっており、当時の景観写真などを調べるのに必要なためである。また、今は廃鉱になっている鉱山などの位置を知るためにも重要な資料となる。1部300円ということもあって5種ほど入手した。郷土書のコーナーでは伝説、民話関係の町村単位で出している書籍、冊子を3册ほど見つけたが、意外と安い値にびっくり。店によってはとんでもない値が付いていたりするので儲けものであった。
文学書の棚では昭和初期に改造社が出していた
現代日本文学全集のバラを発見。そろいだと50册を越える大全集で、古書価格もそれなりのお値段になるのだがバラのため1册1000円と安価。5册ほどのバラ本の中から第1巻・明治開化期文学集を購入。これにはヴェルヌの「八十日間世界一周」の本邦初訳が所収されている。「八十日間世界一周」の初訳は復刻版も出ているが、発行当時の雰囲気を楽しむには良いけれども作品を読むだけなら現代日本文学全集で十分だ。完全訳のある今から見れば文章は簡略化された抄訳にすぎないが、味わい深い明治期の文章を堪能できる。また、巻末の著者紹介は秀逸でこれだけでも価値がある。
旧徳島県庁庁舎の竣工記念絵葉書を雑多な絵葉書の山の中から見つけて入手した。完成に間に合すため工事中に撮影した写真を絵葉書にしたものらしく、竣工記念といいながら工事中の前庭などが写っている。今ではヨットハーバーと化した中州港も当時は貨物船や客船でいっぱいである。これは少々高かったが、入手しておかないと、すぐ無くなってしまう(絵葉書収集家はけっこう存在する)ので財布が苦しくなるが購入した。
いつもなら1册は入手する写真集はいい出物がなかったので今回はパス。一時EichiMookを1から全部そろえてやろうかなどと考えたが初期の頃のものが高騰してしまって手が出なくなってしまった。ちなみにNo.1は最近Vシネマなどで復活した牧本千幸である。数年前までは良くみかけたが今ではまず見つからない。ビデオも1万円近い値に跳ね上がっているそうである。
辞書コーナーで
隠語辞典なるものを見つけ、内容も良かったので迷ったが、これも予算の関係でパス。他にも欲しい本(初期のポルノ映画全集など)が散見されたが調子に乗るとろくなことが事がないので「宝くじが当たったらまた来る」と言って店を出た。


リサイクル書店にて

ここ数年の間に徳島県でもリサイクル書店が次々とオープンしている。
これまでの古書店と違うところは、出版されて古くても30年前ぐらいの前からの書籍とマンガを中心としているところだ。
買い取った本はクリーニングし滅菌されたうえで書架に並んでいる。表紙が若干くたびれている程度の本ばかりで、店内の照明も明るく、見た目は一般の新刊店とほとんど変わらない。これまでの古書店のイメージとは違う(店も古書店ではなくリサイクル書店であると強調している)店だが、私のような本好きにはたまらないポイントになっているようだ。
店によって違うが、価格が均一(定価の半額もしくは100〜300円の均一料金)なのが一番ありがたい。
古書店では本の値うち(初版、稀覯本、資料価値が高いなど)を店主が値踏みし、それによって価格が決まっているが、リサイクル書店においては、書籍は書籍、マンガはマンガと、その本の値うちいかんにかかわらず、同じ価格となっている。
ということは、本によっては古書店で購入するより遥かに安い価格で購入することが可能な訳だ。思わぬ掘り出し物を見つけるチャンスがある。さらに、商品の回転効率を良くするために書架に並んである一定期間を過ぎるとどんどん値段は下げられていく、売れない本は100円均一になる。
当方、このところ県内にあるリサイクル書店を月に数回パトロールするのが習慣になってしまった。県外に出ても、見かけるとつい入ってしまう。価格が安いためついこれまで買わなかったような本まで買ってしまうのが難点だが、欲しかった本を格安で入手できるのはありがたいものだ。


あるリサイクル書店で一見して「こいつはただ者ではない」雰囲気の客がいた。
リサイクル書店では普通の本好きあるいは新刊を買うより安く本を買う程度の客の姿が多いのだが、その客は一目で「こいつはプロ」という臭いがした。
書架を見る目つきが普通の人は全く違う。その眼差しは狩人の目だ。歩きながら背表紙を見ていくスピードが異様に速いのだ。時おり立ち止まるとすっと本を取り出し、裏表紙を開き軽くうなずき、手にしたカゴに本を滑り込ませる。
当方はさりげなくその客を観察していたが、書架の一列目を見終わる頃には、その客のカゴは本で一杯になっていた。たまたま床においたカゴの中を見ると、ジャンルはバラバラ、しかし、当方が見てもなかなか渋い本が入っている。
後日、懇意にしている古書店の親父にこの話をした。
「そりゃ、プロやな。おそらくそこで集めた本をうちのような古書店におろして回る連中やろ」と親父。「大きい声では言えんけどリサイクル書店は一般古書店の卸屋のように今はなってる」とも続けた「リサイクル書店では本の値うちは無視しとるだろ。どんなに良い本でも均一価格。例えば300円で買って500円で転売すりゃ200円の儲けになるだろ。それが古書店に並ぶと2000円位になるわけよ。全部が全部って訳じゃないけど、けっこう美味しい部分があるな」
なるほどと思い、「僕でもできるやろか?」と聞いてみた。
「やめとき」ニヤリと笑いながら親父。よくよく聞くとそう美味しい面ばかりではないようだ。相当、本のこと(特に古書業界での本の取り引き価格)を知っていないとペイしないようだ。
古書には定価は存在せず、そのときの相場で成り立っているから、古書店がどのような本を欲しがっているか、客が何を求めているかを、その時々で判断しなければならないから、素人が手を出すと痛い目にあうのが落ちなのである。
少し前、タレント写真集のブームがあったが、ある大学生が投資目的で各地の古書店で値うちのありそうな写真集を買い漁ったそうだ。ところが古書店での売価のみだけで判断し、買ったため、買い取り価格が売価の何割か(恐ろしく安いのですね)まで計算していなかったらしい。おまけに発行部数であるとか、タレントの知名度を無視したものだから、結果として大損をこいたらしい。
話が脱線してしまったが、リサイクル書店と従来の古書店の間にはこんな関係もあるのである。


古書店巡りの楽しみ

古書店巡りは楽しい
古書店に出入りし始めたのは大学生の頃からである。
それまでは、新刊書しか買わなかったのだが、すでに絶版になっていた書籍を探すために古書店に行った。それまでにも、古書店に入ったことはあったが、他人の手垢がついた書籍になじめず、そこで購入することはなかった。
我が家の方針、何を買うにしても中古は絶対買わないという家風が影響していたのかもしれない。今、思うと勉強不足であったと思うし、迂闊だった。
必要な本を探すため、何軒もの古書店を巡った。必要な本は割と簡単に見つかったが、それ以上に、なんて楽しい場所だと感じた。
ぎっしりと古い書籍が詰め込まれた本棚と平積みされた膨大な量の本に圧倒されたし、背表紙を眺めていくと、新刊書店ではまず見ることの出来ない書籍がずらりと並んでいた。
この最初の古書店巡りが現在に至る古書購入履歴のスタートとなる。今でも鮮明に憶えている。古い鉄道雑誌を抱えきれないほどカウンターに運んだこと、その値段が新刊一冊分に満たなかったこと。一冊の新刊を買う金で倍、あるいは何倍もの本が入手できる喜びは、それまでの私の書籍購入の概念をがらりと変えた。
本格的に利用し始めたのは社会人になってからだ。
どうしても古い書籍が資料として必要となったし、新刊書も買うには買うが、それ以上に古書店への投資が増えた。
私の必要とする書籍は主として歴史関連、特に交通史に関するものである。良書は概ね発行部数も少なく、チャンスを逃すとなかなか新刊書では入手できない。また過去に発行された関係書籍はすでに絶版ばかりで、入手には古書店から発掘するしかない。
図書館を利用すれば良いのではないか?
そういう考え方もあるが、図書館の欠点は手元にずっと置いておけない(当たり前だが)こと。必要な書籍が貸し出し中であったりすると、いつ返ってくるのか、その数日を悶々として過ごさねばならない。その我慢がいやなのだ。また、全ての関連書籍が図書館にそろっている訳ではなく、いざ必要な時に出かけるのが億劫(我が家からまともな唯一の図書館、徳島県立図書館まで35キロもある)なこともある。必要な書籍は手元にないと駄目だ。そうなるとせっせと古書店から収集するしかないのである。


Used Book Huntingに戻る

阿波勉強堂TOPに戻る