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資料集めと寸法出しについて

スクラッチビルドで作品を製作するにあたってまず必要なのは「何が何でも作る」という根性と根気であろうと思います。しかし、どのような車輛を自作するにしてもまず、根本となる資料が無ければどうにもなりません。
実物があれば実測し、必要な部分を写真に撮ってきて資料とすれば良いのですが、わが日本では軍用車輛は過去に活躍した自国製ですらほとんど保存されていません。そして、当方が手掛ける車輛はそのほとんどが外国の車輛なので実物を見る機会はまずほとんどないに等しいといえましょう。
基本となる資料は洋書です。
欧米では相当古くから様々な車輛の写真集なんかが出ています。そういったものにせっせと目を通し、作りたい車輛の載っている書籍を購入するわけです(図面があればベスト)。
ところが私の住む徳島には洋書店はゼロ。一番近い店でも神戸ですから洋書を直接見る機会がなかなかありません。通販という手もありますが、内容が確認できないため当たり外れが結構発生しますし、これは良いと思っても、そんな本はみんなが良いと感じていますから広告が雑誌などに載ってからでは注文しても売り切れのケースが多かったのです。
最近はインターネットを利用するとか親しくできるお店なんかがありますから、そちらから手を回したり、欧米の書店に直接注文したりも出来ますが、私がスクラッチを始めた20年ほど前はとてもそんな環境ではありませんでした。しかも私が手を出す車輛はマイナー系なので、なかなか目指す資料には行き当たることができません。
しかし、探せばどうにかなるものです。友人に声をかけまくり、片っ端から洋書を探す。一枚しか写真がなくても必要な書籍は購入し、それが複数たまれば製作をスタートさせることが出来ます。
また、洋書の他にもロコのHOモデルは結構よい参考資料になります。
ミニスケールのため省略も多いのですが、初期製品はともかく、出来の良いソフトスキン系車輛は全体のスタイルを把握するための資料として使えますし、寸法が不明の場合は少々荒っぽいですが、ロコのキットをスケールアップして大まかな寸法を知ることができます。
とにかくスクラッチビルドを行うにあたっては資料集めに時間とお金がかかります。作るための倍の資料代が必要になるケースがほとんどといえましょう。


スクラッチ作品を多く製作するようになって、良く聞かれるのが寸法をどうやって得たのかということです。多くは資料に記載された寸法を基にして35分の1の寸法にしていきますが、資料の全てが正しい寸法を記載しているとは限りません。
例えばどこからどこまでを全長としているか?その辺を正確に記載した資料は少ないと思います。図面があっても安心できません。三面図なのに辻褄が合わないとかはけっこうあります。
製作用の寸法を得るには・・・・
1正しい寸法が記載された資料、図面を探す。実物の加工組み立て用の図面があれば最高!
2できれば複数の資料を用意し比較する。疑問な場合は写真などを参考に近い方の寸法を使う。

などの方法があります。前述しましたがスケール違いでキット化されている車輛などはそちらから大まかな寸法を知ることが出来ます。
マイナーな車輛の場合、正確な寸法を求めることは多分に困難です。約35分の1と割り切った方が良いと思います。模型化する場合にはディフォルメする作業も必要になってきますから、完璧な寸法は得られればそれにこしたことはありませんが、そうこだわる必要も無いと思います。
かつてD51を35分の1で作ろうとして本物の組み立て整備用図面を見せてもらったことがありますが、物凄い量の図面に作る意欲が萎えてしまいました。
情報が多すぎるのも一長一短あるのです。
ある程度分かれば製作をスタートさせる。割り切る部分も必要だと思っています。

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