愛の純度

 

 愛することは与えることだといわれますが、そしてそれはその通りなのですが、
もう少し丁寧にいえば、それは与えることによってはじめていやされるような渇きを心に抱くことなのです。
与えて心のかわきを癒す。それを愛というのです。
 愛の問題は、愛する対象の問題でも、愛の結果の問題でもなく、何に心は渇いているかの問題なのです。
与えることによってのみいやされるような渇きを心に抱いているか否かの問題なのです。そういう渇きなしに与えるのは
愛ではありません。愛の純度は、渇きを深める努力にかかっています。

藤木正三(牧師 1927〜 『灰色の断想』より)

 

 

 人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。

『新約聖書』(ヨハネによる福音書十五章十三節)

 

 

 

 

福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2008年2月号 今月の言葉より引用