衣食足りて礼節を知る、といわれます。衣食が足りないと礼節を欠いてしまう人間の弱さは否定できません。
しかし、足りたところでなされる礼節とは一体何なのでしょう。
 礼儀とか節度とかいうものは、本来、衣食が足りなくてそのために人間関係が汚れてゆく時に、それに抵抗するところに真骨頂を発揮するものではありませんか。それは、品位の崩れから身を守ろうとする抵抗の問題として、人に対するよりは先ず自分自身に対する姿勢として理解されねばなりません。礼は先ず自分自身に対する礼でなければ無礼であります。

藤木正三(牧師 1927〜 『灰色の断想』より)

 

 

 真の礼節の真髄は他人のことを思いやることの中にある。

エレン・G・ホワイト(米国の宗教家、教育家 1827〜1915)

 

 

 

 

福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2008年3月号 今月の言葉より引用