プラ板格闘記・SM54を作る PART1

今回のSM54製作のことの始まりは2001年10月の関西AFVの会にある。TMCメンバーらと参加した私だったが、大阪でどうしてもやっておかなければならない所用があり、会場に他のメンバーを残して別行動を行った。その際に所用の待ち合わせ時間に少し間があったので名古屋の三◯会のS口氏らとともに難波にあるホビーショップ・マムートに立ち寄った。そこで見つけたのがSM54の資料であった。正確にいうとS口氏が見つけ「こんなのありますよ〜。凄い迫力ですよねぇ〜。作るとカッコいいですよ〜」と細部写真も載っている資料本を広げ、当方に見せたのである。それを見た当方、これはイケル。作れると踏んだのだが、S口氏もAMに作品が紹介されたこともあるスクラッチモデラー。話をきいているとどうやら自分で作るつもりらしく、1册しかない、その資料をそう簡単には譲ってはくれないという気配だった。「アンタには作れんからこっちによこせ・・・・」そこまで脅してみたのだが、駄目だった。仕方ないか・・・・。製作はS口氏におまかせしようと当方はとりあえず諦めたのだった。
ところが今年の静岡ホビーショーの会場でS口氏から「持ってきましたよ〜。コピーしますから作って下さいね〜」と手渡されたのがSM 54の資料であった。「いやあ、面倒そうなのでね、わたしゃ諦めましたわ。資料を渡したんだから、必ず作って下さいよ〜」とS口氏。受け取った当方は昨年のことなどコロリと忘れていたのだが、「よっしゃ。やったる。来年の静岡よりも先に今年の関西AFVの会で見せたるわ」と豪語してしまったのであった。前からやりたいアイテムではあったのだが、口は災いの元。言ってから、しまったと思ったが後の祭りである。

製作を始めるにあたって少々当方には迷いがあった。最近、マイナーアイテムといえども、ガレージキット化される恐れがある。せっかく作ってもキットが出ると、一体私の製作はなんであったのか?とがっくりきてしまう。スクラッチをやる上で一番恐いのがこれだ。しかし、このアイテムに限ればレジンキャストでは少々難しい面もあり、よほど勇気のあるメーカーでないとキット化はまずやらないだろうと当方はふんだ。図面を前にしばらく悩んだのではあるが、とりあえずやってみようと製作を始めた。資料があるといっても4面図と20点ほどの細部写真があるのみである。細かな部分に不明な点はあるが、どうにかなると判断した。分からない部分に関しては製作を進めながら資料を探すことにし図面からの寸法出しと、プラ板へのトレースを行った。ところが、この図面は少々曲者だった。左右でツジツマがあわない部分があるのだ。写真と見比べても、やはりおかしい。プラ板にトレースしながら疑問な部分は当方の解釈で修正した。
シャーシ部分はほとんど砲架と言ってもよい構造をしているというか、砲架に自走するための構造物を取り付けているという感じだ。図面で見ると複雑なように見えるが切り出してみると以外と簡単に組み上がった。
転輪などはJSシリーズからの流用品とみて、タミヤのJS3からコンバートしたのだが、写真を横によく見るとびっくり。ハブカバーのボルトの数が違うではないか!サスペンションアームもJS3よりも短く、キットのモノをそのまま使おうと画策していた当方の目論見はこれでパア。流用は出来るがかなり修正が必要である。ハブカバーにはボルトを追加し、型取りした上で複製を作ることにした。サスペンションアームは2ミリほど切り詰めるとどうにか使えそうだが、重量のかかる部分であるため、金属線なりを埋め込まなくてはならない。(写真は修正前のもの)

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